仙腸関節性腰痛

脊柱

病態

痛みの原因は様々ですが、多くは仙腸関節の適合性に問題が生じ痛みを発生させていると考えられています。

そもそも仙腸関節はわずかな動きの中で上半身からの重さと下肢からの床反力と、とても大きな力を受けている関節です。

この小さいながらも重要な関節の適合が損なわれると痛みが発生するとされています。


仙腸関節の構造についてのお話はこちらをご参考ください。


また仙腸関節疾患は前述の関節の適合性に問題がある【関節の機能障害】化膿性関節炎や悪性腫瘍などの【炎症やその他の病変】に原因があるものとに分けられます。

後者の場合は徒手療法の適応外となりますので専門医の受診を強くお勧めします。
対して前者の【関節の機能障害】に関しては徒手・運動療法が効果的な場合が多く見受けられます。

ここでは仙腸関節の関節機能障害についてお話をしていきたいと思います。

原因

仙腸関節の不適合が原因により仙腸関節を守っている関節包や靭帯といった組織に負担が生じます。

この関節包や靭帯には痛みを感じるセンサーが多く存在しているため、仙腸関節に異常が起こっていることを痛みとして知らせています。

この関節の不適合は重たいものを持ち上げた時のみならず、何気ない動作でも突然生じることもあり急性腰痛症【ぎっくり腰】として仙腸関節腰痛が発生することもあります。

症状

仙腸関節性腰痛では仙腸関節以外にも鼠径部や下肢にも痛みなどの症状を伴うことが多いとされています。

特に下肢に症状が出現した場合、ヘルニアや脊柱管狭窄症ではないかと疑いたくなりますが、仙腸関節性腰痛の場合デルマトームに一致しない下肢の症状であることも特徴です。

評価法

仙腸関節にストレスを与えて痛みを誘発する検査です。
複数行うことで検査制度を高めていきます。

これら検査に加えて仙腸関節の靭帯への圧痛所見、痛みを減少させる疼痛緩和テスト、カウンセリングからの情報を含めて多角的に評価をしていきます。

圧迫テスト【compression test】

【方法】
側臥位にて寛骨を圧迫

【陽性所見】
仙腸関節に疼痛出現

離開テスト【distraction test】

【方法】
背臥位にて寛骨(上前腸骨棘)を外方へ圧迫

【陽性所見】
仙腸関節に疼痛出現

仙骨スラストテスト【sacral thrust test】

【方法】
腹臥位にて仙骨を圧迫

【陽性所見】
仙腸関節に疼痛出現

大腿スラストテスト【thigh thrust test】

【方法】
背臥位にて大腿骨を介してを仙骨に剪断力を加える

【陽性所見】
仙腸関節に疼痛出現

ゲンスレンテスト【Gaenslen’s test】

【方法】
背臥位にて一方の股関節を屈曲し、もう一方の股関節を伸展し仙腸関節に捻転力を加える

【陽性所見】
仙腸関節に疼痛出現


仙腸関節の検査法の動画になります。
専門家向けの説明となっております為、専門用語なども多く出てきますがご参考にして頂けましたら幸いでございます。

改善方法

仙腸関節性腰痛は一昔までは原因不明・難治性の腰痛といわれていましたが、近年ではその改善法も進歩しており保存療法で軽快するもの少なくありません。
内果的疾患や悪性腫瘍などの鑑別も重要でありますのでお悩みの方は専門医の受診をお勧めしております。

ここでは当店での症状を改善するための考え方をお話させて頂きます。

仙腸関節は【Joint by joint theory】に当てはめて考えると【特に安定性が重要な部位】となります。

椎間板ヘルニアの記事でも同じようなことなお話させて頂いておりますが、隣接する股関節や胸椎の可動性が低下すると腰椎部での運動が代償的に起こることがあります。
仙腸関節は下部腰椎と連動して動くため、胸椎や股関節などの隣接関節の影響で正しい腰椎の運動が損なわれると腰椎とともに仙腸関節にも過度のストレスが生じることが考えられます。

もし隣接関節に可動性低下があり腰椎の不安定性があるのであれば、柔軟性を回復させ、腰椎の安定性を再獲得させ、さらに僅かであるとはいえ仙腸関節での正しい運動を総合的に改善させることが改善するための道筋であると考えています。

また仙腸関節に直接的・間接的に関連しあう部位を、身体のつながりを意識して強化することで仙腸関節の適合性を動きの中でも確保していくことを目指します。

そして体重を支える関節すべてに共通することですが、身体に加わる負荷を物理的に減らすためにも適正体重であることも重要と考えています。

当店では栄養士による栄養アドバイスも実施しておりますので仙腸関節性腰椎にかぎらず、体重を気になさる方もお気軽にご相談ください。

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