骨盤の役割と特徴
骨盤帯にもヒトが直立二足歩行を行う上で獲得した変化や役割があります。
内臓の支持と保護

サルの骨盤は縦に長い構造をしています。
ヒトとは異なり四足獣の名残のナックルウォークが主流でありるため、内臓を下から支える必要性が高くないためと考えられています。
また縦に長い構造が股関節で後足を後方へ蹴りだす筋の作用効率を上げています。

ヒトは直立二足歩行をするようになったため、内臓を下から受け支えるように横が長い構造になったと考えられています。
詳しいことはここでは割愛致しますが、骨盤が横に広がったことで股関節の外転筋の作用効率を高めたともいわれています。
荷重の伝達と分散

上半身と下半身の力の伝達を行い、時には衝撃の緩衝も行うなど、日常生活動作の中で重要な役割を担っています。
性差

骨盤には性差があり、特に女性は妊娠・出産に対応すために男性骨盤より広く大きな構造をしています。
骨盤の構造

骨盤は以下の骨で構成されます。
【寛骨】
【仙骨】
【尾骨】

骨盤は後方で【仙腸関節】、前方では【恥骨結合】で連結し骨輪を形成します。
骨でリングを形どっているため、【骨盤帯】と呼ばれています。
寛骨

中心の仙骨を左右両側から挟み込み、骨盤帯を構成しているのが【寛骨】です。
この寛骨は上方の【腸骨】、前下方の【恥骨】、後下方の【坐骨】の3つの骨は約17歳位までは軟骨で結合していますが、成人になるとともに癒合して1つの【寛骨】になります。
これら3つの結合部は大腿骨がはまり込み、股関節の受け皿となる【寛骨臼】となります。
腸骨

恥骨

坐骨

神経・脈管の通過孔
骨盤部には重要器官が密集し、さらに下肢へと通過する筋・神経・脈管などが通過する部位が存在します。
筋裂孔/血管裂孔

【鼡径靭帯】は【腸骨上前腸骨棘】と【恥骨結節】の間を走行しています。
この鼡径靭帯と寛骨の間には隙間があり、内側を【血管裂孔】外側を【筋裂孔】と呼んでいます。
【血管裂孔】では【大腿動脈/静脈】【大腿輪:リンパ管/節】が通過します。
【筋裂孔】では【腸腰筋】【大腿神経】が通過しますが、この部位で大腿神経絞扼が発生することもあります。
閉鎖孔

【閉鎖孔】は前方は恥骨、後方は坐骨からなります。
【閉鎖神経】【閉鎖動脈/静脈】が通過し、【内・外閉鎖筋】の起始部ともなります。
大・小坐骨切痕/大・小坐骨孔

坐骨の後縁には【坐骨棘】と呼ばれる三角形の突起が存在します。
この坐骨棘の上方に【大坐骨切痕】、坐骨棘と坐骨結節との間には【小坐骨切痕】とそれぞれ上下にえぐれた様な切れ込みが存在します。

さらに【大坐骨孔】は【梨状筋】に二分され、上方を【梨状筋上孔】、下方を【梨状筋下孔】とします。
【梨状筋上孔】からは【上殿神経】【上殿動脈/静脈】が通過します。
【梨状筋下孔】からは【下殿神経】【下殿動脈/静脈】【坐骨神経】【陰部神経】【内陰部動脈/静脈】が通過します。
特に有名な【坐骨神経】はこの【梨状筋下孔】を通過する際に絞扼を受けて坐骨神経痛を引き起こすことがあります。
仙腸関節
左右の【寛骨】と中央の【仙骨】からなる関節です。
詳しくは仙腸関節の記事をご覧ください。
よくみられる機能障害
仙腸関節性腰痛
恥骨結合炎
梨状筋症候群(坐骨神経痛)
大腿神経絞扼



