膝関節の生理的外反

膝関節周囲の機能障害

ヒトは軽度の【X脚】が正常

ヒトの膝関節は軽度の【X脚】が正常です。
仮にヒトの下肢が股関節の真下にまっすぐ生えていたとすると、支持面が増える代わり歩行の際には横への重心動揺が大きくなり、何かと不便となります。
対してX脚【生理的外反】があることで支持面は小さくなる反面、歩行時の重心動揺が小さくなるといったメリットがあります。

ちなみに乳幼児はO脚であり、だんだんと歩行機能の成熟に伴い生理的外反角を獲得していくことからも重要な形態であることがうかがえます。

大腿脛骨角:【FTA】Femoro-Tibial Angle

大腿脛骨角【FTA】
大腿骨軸と脛骨軸からなる角度で正常では約176°となります。
正確な評価にはレントゲン像が必要ですが、正常な膝関節には軽度の外反角度があるということがやはり重要です。
軽度の外反角度があることで重心線に下腿軸を垂直な状態で近づけ、歩く際の支持性を高めていると考えられます。

下肢機能軸:【ミクリッツ線】Mikulicz line

【ミクリッツ線】:下肢機能軸
大腿骨頭の中心と足関節の中心を結んだ線をいいます。
端的にいいますと体重がかかるラインです。
正常ではこの線が膝関節の中心を通ります。
言い換えると正常な膝では体重が膝の中心にかかるということになります。

何かしらの理由でこの線から膝関節中心が外れてしまうと膝への負担が増えることとなります。

FTA:減少

FTAが減少すると膝の外反が強くなりX脚となります。
冒頭でヒトの膝は軽度X脚が正常とお話しましたが、大きすぎるX脚は問題があります。

FTAが減少するとミクリッツ線は膝関節中心から外に外れます。
簡単にお話しますと、これにより膝関節には体重をかけるたびに膝が内側に入り、外反角が強くなるストレスにさらされることとなります。
膝関節の外側では圧縮ストレス、内側では伸張ストレスが加わることとなっていきます。

FTA:増大

FTAが増大すると膝の内反が強くなりO脚となります。

FTAが増大するとミクリッツ線は膝関節中心から内に外れます。
先ほどと反対に膝関節には体重をかけるたびに膝が外側に逃げ、内反角が強くなるストレスにさらされることとなります。
膝関節の内側では圧縮ストレス、外側では伸張ストレスが加わることとなっていきます。

まとめ

膝関節自体には外反・内反をするための機能はありません。
ですので膝に隣接する股関節や足関節の影響を受けて徐々に膝の位置関係が変位していくものと考えられます。
また膝関節の構造上、内外反の動きとともに回旋のストレスも同時に加わるため症状も複雑化していきます。
もちろん人により変位・変形の理由は様々ですし、骨盤形状に性差があることから膝の外反にも性差があります。
よって変位や機能の変化を個別にかつ包括的に評価することが大切だと考えます。

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