肘関節の構造

肘関節周囲の機能障害

肘関節の基本構造

肘関節は【上腕骨】【橈骨】【尺骨】からつくられます

上腕骨+橈骨=【腕橈関節】
上腕骨+尺骨=【腕尺関節】
橈骨+尺骨=【近位橈尺関節】


上記の関節からなる複関節です。

肘関節の形態進化

前腕の回旋

肘関節を含む形態進化の中でも特徴的なものは前腕の回内と考えています。

原始的な爬虫類は肘や膝とつま先の方向が外側を向いています。

前方への推進に足の力を有効に使えるようにと、乳類などへの進化の中で肘や膝の向きが変化していきます。

膝に関しては問題がないのですが、前足は肘が後方を向くとつま先もいっしょに後ろを向いてしまいます。
四足獣に関して言えば前足のつま先が進行方向に向いていた方が足関節の機能も運動に参加できるので都合が良いため、前腕を回内させることでより

ちなみに肘が後方を向き、指先も後方を向いた状態で立った状態が解剖学的肢位と呼ばれる状態です。

肘関節の傾斜角度

肘関節には各種の傾斜角度が設けられており、これが上肢を自由に大きく使えるようになった所以とも言えます。

運搬角:carrying angle

上腕骨長軸と前腕長軸の角度で5~10°外反しています。
何か手で重い荷物を持って運ぶ際に便利な機能なので【運搬角】と言われています。
この運搬角がないと歩くたびに足に荷物がぶつかってしまい非常に歩きにくくなるかと思います。
前足を体重の支持から解放し、上肢としての重度を優先させたということもここからうかがえます。

この角度は前述のメリットもありますが、外反角があることで肘の内側の靱帯損傷が多く発生しやすいといった特徴も合わせもちます。

上腕骨遠位端部の前方傾斜角:tilting angle

上腕骨長軸と上腕骨遠位端部の角度で約45°前方へ傾いています。
この角度があるおかげで肘関節は大きく運動することが可能となています。

骨折後の変形治癒などでこの角度が失われると、肘の運動制限を残す可能性が出てきます。

このように肘関節も上肢を自由に使うために形態を進化させてきましたが、この機能が何かしらの原因で低下すると隣接する関節を通して全身へ問題を広げることも考えられます。

ついつい健康なうちは腰や肩、膝に比べて気にしてあげる機会が少ない部位のような気がします。
もちろん予防や改善にも限界はあると考えますが、いつまでも大切にしたい機能のひとつですね。

よくみられる機能障害

内側上顆炎【野球・ゴルフ肘】
外側上顆炎【テニス肘】
肘部管症候群【尺骨神経絞扼】
円回内筋症候群【正中神経絞扼】
回外筋症候群【後骨間神経絞扼】

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