概要

明らかなきっかけがなく、肩関節に痛みと運動制限が生じる疾患の総称をいいます。
①明らかな原因がない
②肩に痛みと運動制限がある
③年齢が40歳以上
また加齢変化によって発症し、自然治癒することが多いのも特徴です。
原因

原因ははっきりせず、年齢によるものや過労などから関節包や靭帯に炎症が生じ、やがて周辺の筋肉も含めて拘縮が起きていくのではないかと考えられています。
一方、原因が明らかな【腱板損傷】【肩峰下滑液包炎】【石灰性腱炎】【上腕二頭筋長頭腱炎】などは除外します。
症状・経過
症状は急速に現れるものから徐々に現れるものと様々ですが、肩の骨や関節に変形や筋肉の萎縮も無い、または軽度であることが多いとされます。
痛みや肩の動きが制限されることによる日常生活に支障が生じることが主な症状となります。
以下の3期に区分をしています。
炎症期
2~12週程度。
痛みが最も強く、昼夜問わず痛みが持続し、夜間痛などにより睡眠にも悪影響を及ぼす時期。
痛みが主症状の時期で、この痛みによる肩の運動制限により日常生活動作が困難となります。
とにかく何をしていても痛いです。
拘縮期
3~12か月と長期間となることも。
肩関節を包む関節包や靭帯、筋肉などが固まることで肩の運動が全方向で制限を受けます。
炎症期に比べると痛みは落ち着きますが、可動域に制限を受けるため非常に不便な時期でもあります。
痛みが落ち着いたとはいえ、動かない方向へ急に動かしてしますと強い痛みがまだ出現します。
解氷期
痛みはほぼなくなり、可動域制限が主症状となる時期です。
日常生活の中で徐々に可動域制限も改善されてきます。
改善策
基本的に神経や肩の関節構造に破綻はありませんので、時間経過とともに回復していきます。
極端なお話ですが要は放っておいてもよくなることが多い疾患でもあります。
ただし誤った処置や日常生活動作を行うことで、症状を悪化させたり長引かせたりします。
ですので経過に合わせて適切な処置を行った場合のほうが苦痛も少なく、早く症状の改善が見込めると考えております。
炎症期の対応
この時期に必要なことは基本的に患部の安静です。
炎症が起こっていますので積極的に患部を動かしてしますと悪化します。
いかに日常生活動作の中で患部の安静と痛みを起こさせないかを追求していきます。
例えば夜間痛で目が覚めてしまうことが問題であれば、痛みが起こらないような姿勢や肩のポジションを見つけて眠りの導入だけでも質の良い睡眠を確保することを目指します。
また肩関節は動かせないですが、肩とつながっている胸郭・脊柱や骨盤などの運動から肩への負担を最小限にして、家事やお仕事中の支障が少なくなることを目標とします。
拘縮期の対応
炎症が収まり痛みもある程度落ち着くため、痛みの出ない範囲での優しいストレッチや運動・患部の保温により日常生活での肩の使える可動域を増やしていくことを目的とします。
肩の制限域に近づくと痛みはまだまだ出現しますので、どこまでストレッチをするのかは見極めが大切ですが、痛みのない範囲でかつ最大限の可動域で運動を引き出してまいります。
また炎症期と同様、肩関節の運動に大きく影響を及ぼす胸郭・脊柱や骨盤なども積極的に運動を行い日常生活動作の早期回復位を目指します。
解氷期の対応
痛みはほぼ落ち着き可動域制限が主症状であるため、積極的なストレッチや運動により肩の制限を回復させてまいります。
ここまでくればあと一息です。
長い期間動きの悪かった肩と全身をもう一度協調的に運動できるようにすることが最終目標となります。
あとがき

実はこの肩周囲炎は僕自身も数年前に体験しています。
一言で表現するとすごく痛かったです。
ただ有難いことに知識や技術がありましたので苦痛も最小限、改善するまでの期間も短くて済んだと思っております。
肩の痛みに悩んでいらっしゃる方は一人で悩まずに是非一度ご相談にいらしてみて下さい!


