肩周囲の構造

肩関節周囲の機能障害

【肩】について

肩の痛みや不具合を訴える方は非常に多く、その原因や症状も様々です。
また日本人になじみの深い部位なのでしょうか、【肩】という言葉を使った慣用句も多く存在します。

  • 肩代わりする
  • 肩を落とす
  • 肩で風を切って歩く
  • 双肩に担う

数え上げたらきりがありませんが、肩という身体のパーツはその人の状態や心情などを表す言葉として使われます。
言葉尻だけではなく、肩は全身の影響を受けたり、反対に全身へ影響を与えてしまう場所であると考えています。

解剖学的特徴

狭い意味での肩は【肩甲骨】【上腕骨】からなる関節となります。
しかし、ヒトが肩関節を生活の中で使う際はこの2つ骨のみでは十分ではなく鎖骨や肋骨をはじめとした胸郭、ひいては骨盤や下肢に至るまで全身を協調的に使い肩の機能を最大限に引き出しています。

特に肩関節に直接的に関わるものが以下となります。
【肩甲骨】
【上腕骨】
【鎖骨】
【胸郭】(胸椎+肋骨+胸骨)

関節

肩関節の動きに関わる関節には構造上、関節包に包まれている解剖学的関節と厳密には関節ではありませんが、関節のような働きをする【機能的関節】に分けられます。

【解剖学的関節】
『肩甲上腕関節』
『肩鎖関節』
『胸鎖関節』

【機能的関節】
『第二肩関節』
『肩甲胸郭関節』

これらを含めて【肩関節複合体】と呼ばれます。

肩甲上腕関節

【肩甲骨】【上腕骨】からなる関節。
球状の関節であり非常に広い可動域を持つ。
可動性を重視する形態変化をしてきたため不安定な関節でもあり、それ故に外傷や機能障害の発生も多い関節。

肩鎖関節

【肩甲骨】【鎖骨】からなる関節。
肩の運動の際には肩甲骨の動きの支点となる平面関節。

転倒時に肩から落下した際に脱臼を起こしやすい部位。

胸鎖関節

【胸骨】【鎖骨】からなる関節。
鎖骨の運動の中心となる鞍関節。

肩鎖関節ほどではないが、肩から落下するように転倒した際などに脱臼をする可能性がある部位。

肩甲胸郭関節

【胸郭】【肩甲骨】からなる機能的関節。
胸郭の形状に合わせて肩甲骨が【胸鎖関節】【肩鎖関節】とともに上腕骨に追随するように運動する。
胸郭の形状に大きく影響を受けるため、姿勢との関連が非常に大きい。

肩峰下関節【第二肩関節】

【烏口肩峰アーチ】【上腕骨骨頭】からなる機能的関節。
解剖学的関節ではないが烏口肩峰アーチ下の肩峰下滑液包とともに上腕骨骨頭の支点をつくり、肩の運動に際して重要な働きを担う。
肩の機能低下により肩峰下インピンジメント症候群が発生しやすい部位。

*烏江肩峰アーチ:以下のパーツからなるアーチ
 烏口突起、烏口肩峰靭帯、肩峰

*インピンジメント:衝突

肩関節複合体

【肩】という身体のパーツのひとつですが、それぞれの体節が影響を及ぼし合っているため、包括的に全身から評価することが重要であると考えています。


肩関節と肩関節と全身とのつながりを生物の進化の過程とともに説明もしております。
やや専門家向けの動画なので聞きなれない言葉などもございますが、ご参考にしていただけましたら幸いです。

よくみられる機能障害

  • 腱板炎
  • 上腕二頭筋長頭腱炎
  • 肩甲上神経障害
  • 長胸神経障害
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