腋窩神経絞扼【QLS syndrome 】

肩関節周囲の機能障害

【腋窩神経】といわれる肩の外側の感覚を支配している神経の絞扼疾患です。
肩の外側周囲に痛みや感覚異常を起こし、肩外側の筋肉の萎縮や筋力低下を引き起こします。

概要

【腋窩神経】は頸椎の第5・第4神経根からなる末梢神経です。
頸部の前外側から下降し、鎖骨の下を潜り、腋窩を通って背側へ走行します。
後述致しますが腋窩神経は【肩の外側】【肩関節包の一部】の感覚と【三角筋】【小円筋】の2つの筋肉の支配します。

腋窩後方では【後方四角腔】:QuadriLateral Space/QLSと呼ばれる骨や筋肉の隙間を潜り抜け背側へ走行します。
【後方四角腔】の構成要素は【小円筋】【大円筋】【上腕三頭筋長頭腱】【上腕骨】で四隅を囲われた空間となります。
この【後方四角腔】で腋窩神経が絞扼を受けすく、この部位での神経絞扼を【QLS syndrome(クアドリラテラルスペースシンドローム)と呼びます。

症状

【腋窩神経】が絞扼を受けることで、腋窩神経支配の筋肉である【三角筋】【小円筋】の筋委縮、筋力低下が発生します。
特に【三角筋】は肩を横から挙げる強力な【外転作用】を持っていますので、この筋機能低下により肩の外転運動が困難となります。

また【腋窩神経】は肩外側の感覚も支配しているため、この部位に【しびれ】【感覚鈍麻】【疼痛】などを引き起こすことも考えられます。

発生機序

腋窩神経絞扼の好発部位は【後方四角腔/QLS】ですが、この付近の打撲などで出血したり、繰り返しの投球動作などから骨棘と呼ばれる骨の棘が作られることで構造的に狭くなること発症する場合や、後方四角腔/QLS】を構成する筋肉が硬くなることで運動の際に腋窩神経を締め付けることで症状がより強く出現したりします。

筋肉が硬くなることや短くなり、さらにその状態で運動をすることで症状の誘因になったりもします。
特に構造上、手を挙げる【挙上運動】や反対側の肩を触りに行く【水平内転運動】などでこの締め付けが強くなりやすいです。

評価/介入の考え方

他の神経絞扼と同様、原因部位の特定のために詳細に【評価】を行い、原因となっている部位に適切な【介入】を行っていきます。
硬くなっている筋肉が原因なのであれば柔軟性を改善し、動作や姿勢が原因であれば、正しい姿勢や動作ができない理由をさらに掘り下げて改善を目指します。

悪くなっている原因をひとつひとつ取り除き、足りていない部分は少しずつ補って、【足し算】と【引き算】のアプローチで根本から改善を目指し、再発要望のために動作習慣も変えていけるようにサポート致します!

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